鬱のこと⑥一番怖かったこと

洗濯物を干していると、キッチンから物音が聞こえてきました。なんとなく様子がおかしく、嫌な予感がしてがして見ると、元夫が包丁を持って立っていました。

近づくと今にも手首を切りそうな雰囲気で、びっくりしたけれど、なぜか大事にしてはいけない気がして、冷静に「これは私の包丁だよ、手首を切ったら包丁がダメになるからやめて」と話しかけていました。

元夫は、はっ!っと正気に戻ったようで、なんで自分がキッチンにいるのかも分かっていない様子でした。自分の意志ではなく、寝ぼけているような感じでキッチンまで来て、包丁を持って手首を切ろうとしていたのです。

初期のころは「こんなに苦しいのなら死にたい」と口にしていたのですが、そんなことは言わなくなって、少し落ち着いていた時の出来事だったので、余計にびっくりしてショックでした。

元夫もすごくショック受けて、そんな自分を怖がっていました。

私は一度死のうとしたことがあるので、少しわかるのですが、自分の意思をもって死ぬのは本当に怖いです。親や息子のことやいろいろなことが浮かぶし、死ぬこと自体もとても怖いです。

自殺してしまった人は本当に追い詰められていて苦しんだ末、そうすることしか選べなかったから自分の意思で逝ってしまったの?

もしかしたら悩んで病んでしまっていた末の事とは思うけど、逝ったときは、元夫のように無意識だったのではないかな?とも思ってしまいます。

私も死ぬことが最善の解決策だと思っていた時は、鬱病とまではいかなくても、かなり追い詰められていた時でした。あの時に一瞬でも無意識に死んでしまっていたらと思うと、本当に怖いです。

今ある、ささやかな幸せも生きていたからあるもので、死を選んでいたら、なかったものです。死は何も解決しないし、ただ自分がなくなるだけと今は思っています。

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